今日、注文しておいたCD(1/20の記事参照)と、槇佐知子さんの本が届きました。
「くすり歳時記」と「王朝医学のこころ―国宝『医心方』に学んで―」です。
くすり歳時記は、落乱時代の参考書として図書館で借りて片っ端から乱読した本の、一つでした。
昔の薬をエッセー風に紹介した物で、結構面白いし、文章の感じが好きになったので購入したものです。
ちなみに、槇佐知子さんは「医心方」を現代語訳して初めて全巻出版した人です。
「医心方」とは…984年に鍼博士 丹波宿祢康頼が撰集した我が国最古の医学全書で、国宝となったものの、安政年間まで門外不出でした。禁が解かれたものの、特異な文字や古漢文に手を焼いて全訳(その時の現代語訳)した人はつい最近までいなかったのです。
今では、槇佐知子さんが独学で現代語訳したものが、筑摩書房から出版されています。
…それはともかく。
私が8月にこのブログで問題にしたしんべヱのリンスの一件でありますが、尼子先生は何を根拠に大豆の煮汁を持ってきたのだろうかと思っていました…
私のお気に入りに入れていた、とあるHPにヒントがあったようです。
以下http://www.hum.ibaraki.ac.jp/mayanagi/students/01/01kon.htmから引用しました。
1 『医心方』所引文
…(略)…
○光沢のある髪にする術
大麻子を搗き、蒸してから煮る。その汁で髪を潤せば、切れ毛をなくし光沢が出てとてもよい。
大麻子って何?てわけで。
麻は単純に麻?(ちなみに、日本で大麻(麻由来の樹脂類など)がドラッグとして使われたのは第二次世界大戦以降です)
しんべヱのリンスは、大豆の煮汁です。
室町時代に、庶民の食べ物として「打ち豆汁」があります。大豆を水に浸し、柔らかくしてから搗いて煮た物です。
だから、大麻子=大豆 ならば、すっきりするのですが、ことはそうはいかないようで…
ネットで調べた限りでは、大麻子=大豆 の図式は見えてきません。
槇さんの全訳本を参考にするのが私の知力では一番手っ取り早いかとも思いましたが、なかなか図書館で扱っていません。さすがに都立図書館は今まで出版された全巻揃えていますが…。
またしても結論がはっきり出なくて申し訳ありません。