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「美しい日本語の辞典 小学館辞典編集部編」なるものを購入しました。職場に本屋さんが定期的に注文を取りに来て、配達までしてくれるので便乗しました♪
それで、ぱらぱらと本をめくってみたら驚くべき事が。

「片腹痛い」という言葉があります。当辞典によると、「おかしくてたまらない。笑止千万である。相手を軽蔑、嘲笑するときに使う」と現代の意味が載せてありました。
しかし、私は続きの説明文の「本来は、傍らで見ていて心が痛む意を表したが」の方しか意味を知りませんでした。今と昔は正反対の意味なのですね。しかし、私が昔の意味しか知らなかったのは何でだろう。
今私が読んでいる「平家物語」の巻一、祗王の章で頻繁に出てきます。
ちょっと引用してみます。元は仮名だったのを私が適当に漢字に直しました。現代語訳も私が適当にしています。
ここで、背景を説明しますと、

舞を大変上手に舞い、都の人々にちょっとした人気がある仏御前という白拍子(男装して踊る女人)が、平清盛のところに売り込み目的に押しかけてきました。清盛は「芸人は呼ばれて来るものであって、呼びもしないのに自ら押しかけてくるなどけしからん」と怒ります。そこで、平清盛に寵愛をうけている祗王が取りなします。以下、祗王のセリフを一部引用します。

「あそびものの推参は、常の習ひでこそさぶらへ。その上年も未だ幼うさぶらふなるが、たまたま思ひたつて参ってさぶらふを、すげなう仰せられて、帰させ給はんこそ不憫なれ。いかばかり恥づかしう、かたはら痛くもさぶらふらん。(略)」

…これ、現代の意味だったら、祗王が仏御前のことをおちょくっているとしか思えませんよね。
私が適当に現代語訳してみました。昔の意味だとこうなります。
「芸人が押しかけてくるのは当たり前ではないですか。その上、まだ若いのだから、たまたま思いついて来たのでしょう。それをすげなくあしらって帰そうとはあまりにも不憫ですわ。私がどんなに恥ずかしく感じ、心を痛めたことでしょう。(略)」
下線部を現代の意味に直したら変ですよね。一辺に清盛の寵愛がなくなることうけあいなし!?

「片腹痛い」の説明の続きは【()内管理人注】、
「本来は、傍ら(昔は『かたはら』)で見ていて心が痛む意を表したが、「かたはら」が「片腹」と意識されるようになってこの語ができた。」
とあります。
なるほどなるほど…と思いました。
伝統ある言語は難しいけれど面白いです。
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